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5.4.2 マイクロマシン(ナノテクノロジー)
マサチューセッツ工科大学のK.E.ドレクスラーは「モレキュラー・メカニカル・デバイス」の概念を提唱し、表5−3に示すように、われわれが日常使用しているどんな物も分子レベルの材料で作ることができるとしている(Drexler,1986)。そのひとつに分子のロッドとノブを組み合わせて作った機械式のNAND回路がある。この分子機械素子でコンピュータを作る事ができれば、小型化によりスライドするノブの移動距離はわずか数ナノメーター程度ですむため処理速度の大幅な向上が期待できる。
このようなマイクロマシンの応用として、アクチュエーター等の力の部分の微小化を成し遂げることが考えられる。小さな高速のアクチュエーターができれば、これらが何億個も集積してはじめて必要な力が得られるような機械を作ることが可能となる。

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図5−15 ドレクスラーが提案した機械式分子メモリー素子(那野,1994)

 

 

 

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